蒸気は、一般的な加熱源として幅広く活用されていますが、システムによっては熱利用されないまま大気放出あるいは復水循環されている場合があります。 また、蒸気をさまざまな生産プロセスで使用する際にも、減圧弁で蒸気圧を制御している為、減圧時の圧力差エネルギーは有効利用されていませんでした。これらの未利用蒸気エネルギーを有効利用するために開発されたのがスクリュ式小型蒸気発電機「STEAM STAR(スチームスター)」です。大規模プラントだけでなく、蒸気タービン式では採算性が悪く、採用が難しかった中小規模プラントにおいても、省エネルギーとCO2排出量の低減に貢献致します。
スクリュ式小型蒸気発電機「MSEG」~特徴~
1.スクリュの膨張原理
容積式スクリュの採用により、大型火力発電所と同程度の高性能を実現。スクリュ式は、圧力差がそのまま回転力となるため、160kwレベルの小型発電機でも高効率が得られます。また、スクリュ式は容積式のため回転数を変化させることで容易に容量制限が可能です。

2.高効率、ワイドレンジ

軸流タービンでは困難だった小型機を、「STEAM STAR」は容積式スクリュで実現しました。
また、軸流タービンと比べて、同じ蒸気条件で1.5倍の高効率を実現しただけでなく、インバータ制御により蒸気量変動に合わせ、広範囲に無段階で効率よく発電します。
3.業界初! オールインワン構造

従来の軸流タービンの場合、発電機盤、制御盤などを別々に設置するため、大きなスペースとそれを接続するための配線が必要でした。「STEAM STAR」はこれらをオールインワンにしたため、省スペース、工事費用の削減が図れます。
また、本体ユニットの騒音源を徹底的に見直すことで、運転音を大幅に低減しました。
スクリュ式小型蒸気発電機「MSEG」~導入パターン~

スクリュ式小型蒸気発電機「MSEG」~標準仕様~
項目 | 低圧機 | 中圧機 | ||
---|---|---|---|---|
MSEG132L-Ⅱ | MSEG160L-Ⅱ | MSEG160M-i | ||
設置環境温度 ℃ | 0~40 | |||
設置場所 (※1) | 屋内/屋外 | |||
膨張機給気圧力 (※2) MpaG | 0.25~0.95 | 1.93以下 | ||
膨張機給気温度 ℃ | 139~182 | 215以下 | ||
膨張機排気圧力 MpaG | 0~0.45 | 0.93以下 | ||
膨張機差圧 (※3) MpaG | 0.75 | 1.2 | ||
膨張機蒸気量 (※4) ton⁄h | 4.1以下 | 5.2以下 | ||
最大出力 (※5) kw | 132 | 160 | 160 | |
出力電圧・周波数 | 400⁄400・440V (50⁄60Hz) | |||
制御方式 | CV弁及びインバータによる給気または排気圧力一定制御 | |||
伝達方式 | ギヤ増速 | ギヤ・ピニオン | ||
必要ユーティリティー | 冷却水 L⁄min | 40以上 (給水圧力15~50mmAq) |
50(給水圧力15~50mmAq) | |
軽装空気 Nm3⁄min | 0.3以上(圧力0.45MPaG以上、大気圧下露天-17℃) | |||
蒸気給気配管⁄排気配管 | JIS10K-100A RF⁄150A RF | JIS20K-80A RF⁄125A RF | ||
潤滑油初期充填量 L | 約28 | |||
寸法(幅×奥行×高さ) mm | 2,780×1,545×1,866 | 2,640×1,355×2,005 | ||
概略重量 kg | 約3,000 | 約2,880 | ||
騒音値 (※6) db(A) | 80以下(正面77以下) | 85以下 |
※1 低圧機:IP24、中圧機:IP23相当。
※2 最高使用圧力以上の蒸気圧力が想定される場合は、ユニットの上流側に適正な安全弁を設置してください。
※3 内部の制御弁にて自動調整します。
※4 発電によるエネルギー変換により数%ドレン化し、排気飽和蒸気量は減少しますのでご注意ください。
※5 ユニット内蔵のファンモータ・オイルポンプモータ消費電力が別途発生します。コントロールパネルの出力表示には含まれませんのでご注意ください。ファンモータ出力は低圧機で0.6kw、中圧機で2.2kw、オイルポンプモータ出力は低圧機で1.5kw、中圧機で2.2kwです。
※6 騒音値は、半無音響室にて、機械正面1.0m、高さ1.0mで全負荷時の測定結果です。